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2007年4月 3日 (火)

可能性を高めるということ

末期ガンの為、52歳で当デイを利用されている男性(Mさん)がいる。

様々な手術を施したものの、状態は回復せず脳に転移してしまい、車椅子の生活を余儀なくされ、自宅での入浴が困難になった為、当事業所のご利用に至った。

「何か役に立ちたい」

それが、Mさんの最初のご希望だった。

施設の機能そのものを、自身のニーズと照らし合わせ利用される方が多い中、Mさんの言葉はとても新鮮に聞こえた。

Mさんは某大手通信会社に勤めていたこともあり、パソコンなどのデジタル家電にはとても詳しい。そこで、パソコンとデジカメを用意し、他利用者に使い方や活用法を教えていただくことになった。(一部職員も含まれますが・・・)

最初は、「わしには無理じゃ~」とか言われていた方も、デジカメを持って近くの神社に出かけ撮影を楽しんだり、「なんじゃ、この電卓は?文字がついとるぞい?」と言われた方もパソコンに向かわれインターネットを楽しめるレベルまでになった。

事業所に新たな可能性を見出してくださったMさんにはとても感謝している。

Mさん自身は、ご自分がガンであることや、余命もわずかである事も当然認識されている。

私はMさんに失礼を承知で近づいて来る死期について怖くないのか尋ねてみた。

しばらく考えて、Mさんはこう言った。

「人間、必ず死ぬんだからそれが早いか、遅いかでしょ、それをいちいち気にしていても何も始まらない。不確実な可能性に向かって、何をするかが人間の価値だと思うよ」

確かにそうだ。悩んでも仕方の無い事にエネルギーを取られるより、何かする為にエネルギーを使うべきである。何かをする為に向かっていくことが、人間の個性だと思う。

可能性を高める為の「活動」をする為に、悩み考えることが必要だ。その積み重ねが良い結果を生むのだろう。

Mさんのガンは着実に進行し、身体機能は日々後退している。キーボードを押せなくなり、マウスも右手で動かすことができなくなった現在においても、マウスを左手に持ち変え、パソコンをボイスタイプに変更し自ら可能性を高める為、何か役に立とうと、日々努力されている。

そんなMさんの生き方に強く感動した。

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コメント

「支援」とは何か、考えさせられました。遅ればせながら、トラックバックさせていただきましたので、よろしく!

投稿: マンデリン | 2007年4月14日 (土) 23時51分

マンデリンさん、こんにちは。

私のヘタクソなブログをトラックバックしていただくなんて光栄です。ありがとうございます。

投稿: AKI | 2007年4月18日 (水) 18時05分

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